日本の面会交流制度の現状と課題、そして共同親権導入に伴い裁判所が改めるべき運用について、以下に説明する。
日本の面会実施率は約3割と、欧米(約7割)や中国、韓国などの諸外国に比べて極めて低い。面会回数についても、アメリカなどでは週2回がスタンダードであるのに対し、日本では月1回が基準となっており、子どもと別居親が会えない状況が蔓延している。
日本の裁判所は、別居直前まで親子関係が良好であったことを示す写真や動画などの客観的な証拠をほとんど考慮しない。別居後、同居親の顔色を窺った幼い子どもが「会いたくない」と発言したり、同居親が拒否したりすると、すぐに面会を不実施とする運用を行っている。別居後に親子関係が悪化するのは明らかに同居親の影響であるにもかかわらず、裁判所はその当たり前の推認をしてくれない。
このような理不尽な運用がまかり通る根本的な原因は、日本の裁判所に面会を強制的に実施させる手段(執行力)がほとんどないことにある。例外的に金銭的なペナルティを科す「間接強制」の制度はあるものの、相手に資産がなければ効力がなく、裁判所にとっても使い勝手が悪いのが実情である。強制力がないがゆえに、裁判所はどうしても現在子どもを育てている同居親の意見を最大限に受け入れざるを得ない状態になっている。
共同親権制度の導入を機に、子どもが別居親と会うことは子どもの利益になるという大原則に立ち戻る必要がある。裁判所は、同居親の意見ばかりを偏重する現在の運用を改め、少なくとも「別居前までは親子関係が良好であった」という証拠が提出された場合には、原則として面会を実施するという考え方をとるべきである。
片山ひでのり法律事務所
弁護士 片山栄範
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