面会交流調停における相手方への攻撃のリスクと、監護者指定審判との戦略の違いについて、以下に説明する。
監護者指定は、単独親権のもとで父母のどちらか一方のみが選ばれるため、相手に勝つ必要があり、相手を攻撃して親としての不適格性を主張することが有効な手段となり得る。一方、面会交流は「相手が監護者であること」を前提としており、自分が子供と会うことが子供の利益になることを主張する手続きである。両者は目的と前提が全く異なるため、同じ戦い方をしてはならない。
子供が小学校低学年以下など幼い場合、直接の面会を実施するには、日程調整や子供の送迎などにおいて監護親(相手方)との最低限の協力関係が不可欠となる。そのため、面会交流の調停や審判において、監護者指定の時のように相手方の人格を攻撃したり、親としての資質を否定し続けたりすると、裁判所に「面会を実施するための最低限の協力関係すら築けない」と判断されてしまう。その結果、直接会うことが認められず、写真を送るだけの間接交流という不本意な決定を下される原因となる。
面会交流において第三者機関を利用することで、当事者間の直接的なやり取りを減らし、相手方の協力の負担を少なくすることは可能である。しかし、その場合であっても最低限度の協力関係は依然として必要とされる。そのため、面会交流の手続きにおいて相手を執拗に攻撃することには一切のメリットがない。
中学生や高校生など、自分で連絡や移動ができる年齢になれば、面会の実施に相手方の協力はそれほど必要なくなる。しかし、自力で移動できない幼い子供の面会を求めるのであれば、自分が現在「監護者を争っている状況」なのか、それとも「面会交流を求めている状況」なのかを冷静に見極めなければならない。面会交流を求めるフェーズにおいては、相手への無用な攻撃をやめ、協力関係の構築を前提とした戦略に切り替えることが極めて重要である。
片山ひでのり法律事務所
弁護士 片山栄範
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