日本において虚偽DVが横行する理由や法的な問題点、そして海外との比較や共同親権導入による影響について解説する。
日本では、実際にはDV被害を受けていないにもかかわらず被害を申告する「虚偽DV」と、子供の連れ去りがセットで行われる手法が流行している。虚偽DVを主張することで、自分が家を出ることや相手に子供を会わせないことが正当化される。さらに、その後の親権獲得において決定的に有利になるばかりか、婚姻費用や慰謝料などの金銭面でも優位に立つことができるため、このスキームが悪用されている。
アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどの欧米諸国では、虚偽DVが発覚した場合、偽証罪や司法妨害罪などにより数年から最大15年程度の懲役刑が科される重罪となる。それに加え、数億円規模の高額な賠償金や相手の弁護士費用の全額負担が命じられ、ほぼ確実に親権も失う。このように極めて高いリスクが伴うため、欧米では虚偽DVが強く抑制されている。
一方、日本では虚偽DVが発覚しても、警察に逮捕されることも、賠償金を請求されることも、親権を失うこともない。ペナルティが一切存在しないため、「言ったもん勝ち」のやりたい放題な状況となっている。
日本で虚偽DVが罰せられない根本的な原因は、家庭裁判所の手続きの違いにある。親権や面会交流を争う場は「証人尋問」ではなく「審問」という手続きで行われる。審問では証人としての宣誓がないため、裁判所で嘘をついたとしても偽証罪は成立せず、警察も一切動かない。また、住民票の閲覧制限などをかけるDV支援措置等の行政手続きにおいても、相手への反論の機会や中立な裁判所による事実認定がないまま進められ、虚偽であることが判明しても何の罰則もないという大欠陥を抱えている。
共同親権制度が導入されても、「嘘をついても偽証罪にならない」という根本的な法構造は変わらない。新法では「急迫の事情」が認定されると単独親権を行使できる例外規定があるため、これを悪用して虚偽DVを主張し、子供を連れ去る事案は今後むしろ増加する危険性がある。
この状況から身を守るためには、日頃からSNSやメールのやり取り、家族の健康状態が分かる記録などの客観的な証拠を消されずに保存しておくことが不可欠である。そして、トラブルが発生した場合は、早い段階で弁護士に相談し、適切なアドバイスを受ける必要がある。
片山ひでのり法律事務所
弁護士 片山栄範
静岡県弁護士会所属
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